臨床研修プログラム

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1.研修の目標

 医師としての基本的な知識や技術と、患者及びその家族との良好な信頼関係の形成など、内科学と外科学の卒後一年目における必修研修が終了した研修医に対し、国際的視野と豊かな素養を持った医療人育成のため臨床医学研修を行う。世界で唯一原爆被災医科大学の歴史を持つ長崎大学において、科学的、社会的、精神心理的な様々な視点から、患者本位の問題解決能力を養うことが本研修の目標である。

 主たる研修内容は、放射線による発癌が問題となっている臓器の悪性腫瘍(甲状腺がんや乳がんなど)及び内科・外科の一般的疾患を対象とする診断・治療の基本技術を修得することにある。一部は、医学部附属原爆後障害医療研究施設の短期研修コースへの参加や、世界各地の放射線汚染地域、特に旧ソ連邦における社会保健医療に短期間でも携わることで、現場に即応した問題解決能力を養成する。緊急放射線被ばく医療研修コースへの参加も可能である。最終的には本コースをローテイトした研修医自身が、単に医学の知識や技術の修得のみならず、全人的医療を行う医師として成長したと認知される研修内容の充実を目指している。

2.研修指導体制

 ヒバクシャ医療と関係の深い4.で示す2コースの選択が可能である。いずれのコースを選択しても、それぞれのコースに示した科と共同で研修を行う。る。研修の指導は、内分泌内科(旧第一内科)と内分泌外科(内分泌・乳腺外科)は日常的に国際ヒバクシャ医療センターの指導医と各科の指導医が共同して診療にあたっているので、研修医の指導も共同してあたる。国際ヒバクシャ医療センター外来では、外来通院のがん患者の診断と治療の基本的考え方と手技を学び、また、集学的がん治療の実践を積むとともに、化学療法や臨床治験の実際も経験する。急性被ばくや慢性被ばく入院患者(海外ヒバクシャを含む)の主治医となった場合には、国際ヒバクシャ医療・保健総合コースの指導医があたる。臨床データの解析や臨床研究の具体的な方法論を学び、臨床論文作成の指導も行う。

3.研修指導責任者と指導医

研修指導責任者  山下 俊一
指導医      大津留 晶

4.研修内容

  1. ヒバクシャ医療・腫瘍内科・乳腺内分泌外科コース
  2. ヒバクシャ医療・内分泌内科・血液内科・病理コース

 国際ヒバクシャ医療・保健総合コースの特徴的研修内容としては、まず内分泌内科(内分泌・代謝)を中心とした診断学と治療学を学び、内分泌系がんを中心に腫瘍内科としての診断と集学的がん治療を習得する。また、入院治療だけでなく外来通院時や日常生活の支援を含めた、高齢化する原爆被爆者への様々な対応を学び、社会福祉保健医療の基本モデル原爆被爆者対策の諸機関で研修する。一方、国際医療保健活動、さらに国際医療援助活動への参画の機会を提供する。大学病院における特殊診療の中には緊急放射線被ばく時の急性期治療と慢性放射線障害の治療、ならびに、海外から来日された放射線被ばく患者診療がある。日常的には、甲状腺がんと乳がんを中心とした外来化学療法や放射線治療などを含む包括的な集学的がん治療や国際テレメディシン活動を行うことになる。内分泌外科の研修を希望する場合は同時に旧第二外科の内分泌・乳腺外科で初期外科治療学を学ぶ。

5.研修到達目標

5-1 行動目標

  1. 基本的診察能力の習得(診察態度、医療面接法、病歴の取り方、身体所見の取り方、患者の状態に応じた状況判断能力)
  2. 経験しておきたい主要特徴からの鑑別診断
  3. Evidence-based Medicineや科学的、社会的、精神心理的要因を十分理解した解りやすい病状説明能力の習得
  4. 基本的検査法の手技と評価の習得(臨床検査、ホルモン検査、超音波画像診断、放射線画像診断、MRI画像診断、細胞診、臨床病理、遺伝子診断など)
  5. 基本的治療法の手技と評価の習得
  6. 原爆医療、緊急被ばく医療のノウハウ習得
  7. 終末期医療の実践

5-2 経験目標

 以下に示すヒバクシャ医療に特徴的疾患の検査や治療手技の適応や原理を理解するとともに、その手技を一部の専門的特殊検査や治療を除き、独立して行えるようにする。またローテイトする各科独自の目標も経験する。

  1. 対象疾患: 甲状腺癌、乳癌、下垂体腫瘍、褐色細胞腫、その他の内分泌・代謝系疾患、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、その他の血液疾患、上記以外の悪性腫瘍  急性放射線障害、慢性放射線障害放射線障害に伴うPTSD 。なお、国際ヒバクシャの検診活動では、内科一般としての全ての患者に対する幅広い理解と診療能力を身につけるよう研修する。
  2. 検査及び処置:超音波検査の施行と診断、CT・MRI・マンモグラフィー・シンチ・血管造影の準備と説明及び読影、末梢血・骨髄血の標本作成と検鏡診断、悪性腫瘍の病理診断の理解 、各種ホルモン検査と負荷検査、内視鏡検査
  3. 治療及び手技:薬剤治療、化学療法、外科治療、放射線治療、局所治療、TAE治療、幹細胞移植、骨髄移植、皮膚移植、内視鏡治療心療内科・精神科との連携
  4. 救急治療:静脈確保、呼吸管理、循環動態管理、ICU処置等を担当疾患に関して研修する。

6.研修終了後

大学院への進学や国際機関での活動など随時相談する。

臨床研修プログラム卒業後の活動概略図

(内科、外科、各課の認定医・専門医のローテーションコースに属しながら研修も可能です)

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